一枚の統計表を、読める地図へ。性別・年齢・学歴・産業・地域——
2025年の日本の給与を、11の視点で描き直す。
1976年に 13.2万円 だった平均賃金は、2025年に 34.1万円 へ。1990年代後半からの長い停滞を経て、ここ数年は明確な上昇局面に入った。男女差(男=100)も 58.8 → 76.6 へ縮小したが、女性の賃金は依然として男性の 約4分の3 にとどまる。
男性の賃金は 55〜59歳で445.6千円 とピークに達する一方、女性は 45〜49歳と55〜59歳の305.7千円 で頭打ちになる。同じ20代から始まっても、年齢を重ねるほど曲線の傾きが分かれていく——いわゆる「賃金カーブ」の差が、男女差の大きな源泉だ。
学歴が上がるほど賃金は階段状に上がり、高校 297.2 に対し 大学 396.3、大学院 517.4千円。大学院卒と高校卒の差は 220千円 に達する。どの学歴でも男女差は残り、大学卒でも女性(327.4)は男性(429.6)を 約100千円 下回る。
新規学卒の初任給も、大学院 299.0・大学 262.3・高校 207.3千円。学歴の差は、社会に出る最初の一歩から始まっている。
企業規模が大きいほど賃金は高い。大企業 385.1・中企業 326.2・小企業 305.6千円。小企業の賃金は大企業の 79.4%。男性でこの差はさらに開き、大企業428.0に対し小企業は329.6千円にとどまる。
最も高いのは 電気・ガス・水道業(444.0)、次いで 学術研究・専門技術サービス(440.3)、金融・保険業(437.0千円)。一方で最も低いのは 宿泊・飲食サービス業(277.2千円)。同じ正社員でも、産業が違えば賃金は 1.6倍 変わる。
正社員・正職員 358.8 に対し、それ以外(非正規)は 241.7千円。非正規は正社員の 67.4% にとどまる。両者の賃金はそろって上昇しているが、その比率はこの20年ほぼ横ばい——格差そのものは縮まっていない。
勤続0年の 274.5 から、勤続30年以上では 444.2千円 へ。日本型の年功賃金は健在だ。ただし上昇幅は性別で大きく異なり、男性は勤続25〜29年で 463.9 に届く一方、女性は30年以上でも 375.3千円。勤続の「効き目」にも男女差がある。
役職がつくと賃金は跳ね上がる。非役職者を100とすると、係長級128.6・課長級170.4・部長級204.8。部長級の平均は 635.8千円 で、非役職者(310.5)の 2倍 を超える。役職こそが、賃金カーブを押し上げる最大の階段だ。
外国人労働者全体の平均は 254.3千円。在留資格で大きく分かれ、専門的・技術的分野 313.2・身分に基づくもの 311.1 が高い一方、技能実習は190.3千円 と最も低い。資格区分は、そのまま賃金の階層となって表れている。
最も高いのは 東京都の418.3千円。次いで神奈川(368.6)、大阪(348.9)、愛知(341.6)。全国計(340.6)を上回るのはこの 4都府県だけ で、東京と最下位の青森(263.9)との差は 154千円。賃金は、都市圏に強く偏っている。